一緒にはたらくスタッフ紹介

坂本 陽子
ポニーと一緒に

ポニーのムサシと

オーナーの妻
茨城県阿見町(美穂トレセンの近く)出身
剣道2段
大学で馬術部に所属
小学校・中学校・特別支援学校教員免許取得

長崎にある軽度~重度の障がい者の方の生活介護事務所に勤務 療育乗馬に携わる
その後結婚し、現在に至る

私は子供のころから大の生き物好きで、動物だけでなく昆虫や爬虫類などにも興味があり、見つけると飽きることなく観察しているような子でした。

何がきっかけというものはないのですが、いつか馬に乗ってみたいという気持ちをずっと持っていて、地元の大学入学とともに迷うことなく馬術部に入部しました。
馬術部というのは知らない方からすると華やかなイメージがあるかもしれませんが、実際は馬に乗る時間よりも厩舎作業や土方作業で一日が過ぎ、けっこう体力勝負なところです。
朝もとても早く、学校へ行く前に厩舎作業をしてから講義を受けていたので、先生の隣でついこっくりこっくりしてしまうことも(-_-;)
見かねた先生から事情を聞かれ、そんなに馬が好きならと乗馬療法のことを紹介してくださったのです。(今思えばなんていい先生!)

大学では教育学部で学んでいたので、大好きな馬ともいられて、障がい者の方々の活動支援にも携わることができるなんて、そんな自分にぴったりのものがあったのかと、驚きとうれしさでワクワクしたことを覚えています。

ポテトで引き馬中

ポテトで引き馬中

それからは卒業論文でもアニマルセラピーについてまとめ、療育乗馬に取り組んでいる施設を探し、いくつか研修に行かせてもらうなど、あっという間に道が開けていきました。
そのうちの一つ、長崎の施設を研修させていただいている時に、当時の所長さんから就職試験を受けて行ってみないかと声をかけていただき、そのまま就職が決まってしまったのですから、人生って何が起こるかわかりませんね。

長崎での生活は障がいを持つ方も一緒に馬の世話をしたり、厩舎管理をしたりと、自分たちが乗せてもらう対象者なのではなく、彼らもまた私たちと一緒に働くメンバーという位置づけなのが印象的でした。
一般のお客さまが乗りに来た時は、その準備と片付けもします。一つ一つの仕事を彼らなりのペースでこなしていきます。
もちろん足りないところもありますので、そこは私たちが手伝って。
重度の障がいを持つ方が日中生き生きと活動できる場として、大切な場所になっていることを実感しました。

療育乗馬としてたくさんの方を乗せてきましたが、表情に乏しい方が、馬にまたがるとパァッと笑顔になる、本当に魔法のような光景を何度も目にしました。
同時に、それを見て「普段は笑った顔を見ることがないから、今日は我が子の笑顔が見られてうれしい」と喜ぶ親御さんのうれしそうな顔。
延々と馬を引いて歩くのはなかなか大変ですが、この笑顔を見ると疲れが吹っ飛びました。

その後結婚とともに退職し、乗馬クラブを手伝う毎日です。
競走馬の育成に力を入れていたころ、乗馬クラブに切り替えてからの日々、大変な時もありましたが、夫婦で力を合わせ、よいお客様との出会いがあり、どうにかここまでやってこられました。

私が夫を見ていて思うのは、本当に、つくづく馬とともに生きる人なんだなあということ。
常に頭の中は、どうしたらその馬がよりよく動いてくれるようになるか。

チューリップとムスカリ

草花を育てるのも好きです

とにかく自分でまたがり試してみる、うまくいかない時はアプローチの仕方を変えてみる、ひたすらこの繰り返し。
寝言でも馬のことを言ったり、レッスンしているほどですからよっぽどです(笑)

なかなかこれぞという馬とのめぐり合わせがなく、大きな競技会で人馬を活躍させるまでには至っていませんが、それでも毎日毎日馬と向き合い、試行錯誤を続けています。

そうやってコツコツ努力できることこそが、天性の才能ではないかと私は思います。自分で生産調教した馬が活躍できる日を夢見てーいつかその努力が報われる日が来ますように、そう願うばかりです。

さまざまなお客さまとこの乗馬クラブを通して出会えること、また、お客さま同士がつながり合えることはとても素敵なことだと思っています。
これからも馬たちに感謝しながら、人の笑顔を生み出す場所を提供できるようがんばっていきたいです。